『海のミルク』と言われるほど牡蠣の栄養は豊富。食べ放題などのイベントもありますが、実は食べすぎに注意していただきたい。というのも、摂りすぎに気をつけたい栄養素が含まれるんです。牡蠣10個ぐらいペロリといけるんですがね。
牡蠣に含まれる豊富な栄養:亜鉛
牡蠣にはビタミンやミネラル、DHAやEPAなど健康や美容に良い成分がたくさん含まれています。そのなかでも男性必見の亜鉛の含有量が非常に多い食品の代表選手!
日本人の普段の食生活では、亜鉛は不足しがちな栄養素。意識して摂取したい栄養素です。ここで亜鉛の役割についてちょっと学んでみましょう。
亜鉛不足で起こること
亜鉛が不足することでリスクが高くなるものをリストアップしてみました。
【骨粗しょう症】
亜鉛はカルシウムの吸収を促す役割がある。骨粗しょう症は運動不足や食習慣が大きく関わるが、亜鉛を摂取することで骨密度のアップが期待できる。
【味覚障害】
亜鉛が不足すると味覚異常がおこると言われています。
【男性機能の低下】
亜鉛は男性ホルモンの代謝に必要不可欠な栄養素。亜鉛が不足すると男性機能の低下や性欲の減退、精子の減少をまねく。最近の若い日本人男性の精子の数が減少しているのは、亜鉛の摂取量が関係しているとか。
まさに不妊治療中のご夫婦なら、それなら亜鉛をたくさん含む牡蠣をモリモリ食べようじゃないか、もしくは食べさせちゃおうかしら、と思うところですが、でもちょっと待ってください。
1日に牡蠣を食べていい個数は5個ぐらいまで
亜鉛が不足することも困りものですが、亜鉛は摂りすぎてもこんなことがおこります。
●めまいや頭痛
●全身のだるさ
●発熱
●嘔吐
【長期的な摂りすぎ】
●毛が抜ける
●貧血
●肌の老化
牡蠣の食べ過ぎって怖いですね、案外。毛が抜けるというのは、どうも男性ホルモンが影響しているようですが。では、牡蠣は1日に何個食べると亜鉛の必要量が満たされるのか?
亜鉛の1日の必要量(成人男性):12mg
亜鉛の1日の必要量(成人女性):10mg
(五訂日本食品標準成分表による)
では、亜鉛の必要量を牡蠣に換算するとこうなります。
牡蠣1個(20gとする)の亜鉛の量は約2.6mg。よって、
成人男性:牡蠣5個分
成人女性:牡蠣4個分
牡蠣でこんなにも簡単に1日の亜鉛の必要量をクリアしてしまう。それほど牡蠣には亜鉛が豊富なんです。ちなみに、生で牡蠣を食べる場合であってもフライであっても、食べ方や調理法によって亜鉛の量はほとんど変わらない。
では、牡蠣をこれ以上食べ過ぎてはいけないのかというと、そうではないんです。これは1日に必要な量。亜鉛の1日の許容摂取量は30mgとされているので、牡蠣に換算すると約12個分が上限値となります。
牡蠣好きの方なら、1日に12個なんて軽くクリアするんじゃないでしょうか。僕は12個を超え、食べ過ぎるときがありますね。牡蠣はクセが強いので、5個でお腹をこわしたり吐き気をもよおす人もいますし、20個近く食べても平気な人もいます。
牡蠣の食べすぎについては、個人個人の体調や体質が大きく関係してきますが、一般的には1日に5個くらいまでが良いとされているようです。
牡蠣は食べ過ぎよりも不足に気をつけよう
この記事のタイトルとは真逆のようなことを言いますが、牡蠣は食べすぎよりも亜鉛の不足を心配したほうが良さそうです。
特に、若い男性諸君。毎日カキを食べるのは難しいですが、イベントで食いだめするより、日々少しずつ食べることができれば理想。健康のため、将来のために牡蠣は強い味方になりそうです。